校長式辞

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令和3年度

令和3年度 1学期始業式 【R3.4.8(木)】

 新しい1年、令和3年度が始まりました。入学式では、中学校に120名、高校に280名の新しい仲間が加わりました。皆さんには、新しくできた後輩、同じクラスとなった仲間やお世話になるたくさんの先生方との出会いを大切にして、今日から、学習や学校行事、そして部活動等に、思う存分に力を発揮して欲しいと思います。
 本校は昨年度からWWLカリキュラム開発拠点校の指定を受け、岡山や世界の未来を切り拓くグローバル・リーダーの育成に取り組んでいます。今年度からは事業採択され、予算がつきますので、活動の幅が広がるのではないかと期待しています。
 先生方は皆さんがグローバル・リーダーの資質や能力を身につけられるよう、「未来航路」や「SOZAN STEAM」、「日々の授業」などの学習機会や「SOZAN 国際塾」や「学校行事」「部活動」などの体験の場を準備してくれます。しかし、皆さんがグローバル・リーダーの資質や能力を身につけるためには、それらを受け身の姿勢ではなく、主体的に取り組んでいくことが大切になってきます。
 そこで、今日は、新しい年度の始まりに皆さんに期待することを2つお話しします。
 一つめは、みんなの学習環境をみんなの手で整えてほしいということです。今でも清掃の時間には一生懸命に取り組んでくれていますが、清掃時間だけでなく気付いたらゴミを拾う、当然ゴミを捨てない、自分の荷物を整理整頓するなど、当たり前のことが当たり前にできる人になってほしいと思います。その結果としてみんなが気持ちよく過ごせる学習環境ができるのだと思います。
 二つめは、「新しい自分と出会って欲しい」ということです。
 先ほど言ったグローバル・リーダーの資質や能力を身につけるためにも、また、一人の人間として成長するためにも、人がひいた道を通るだけでなく、自分で新しい道を切り拓き進んでいくことが大切です。私はグローバル・リーダーとは、お互いの考え方や良さを認めることができる人であり、積極的に新しいことにチャレンジできる人だと思っています。新しい学年になった今、少し背伸びをして、今まで以上に主体的に学習や学校行事、そして部活動に取り組んでください。人と競うのではなく、今日の自分が昨日の自分に勝てるように努力してください。きっと、今までの自分ができないだろうと諦めていた殻を突き破って、新しい自分、言い換えれば、今まで自分ができないとあきらめていたことが、できるようになった自分に出合うことができると思います。

令和3年度 入学式式辞 【R3.4.8(木)】

式     辞

 校庭の木々の若い芽の膨らみに生命の躍動を感じ、本格的な春の到来を覚える今日の佳き日、多くの保護者の皆様方の御臨席を賜り、岡山県立岡山操山中学校 令和三年度入学式を挙行できますことは、本校教職員にとりまして誠に大きな喜びであり、厚く御礼申し上げます。
 ただいま、入学を許可され、晴れて岡山操山中学校の生徒となった第二十期生百二十名の新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。教職員、在校生一同皆さんの入学を祝福し、心から歓迎いたします。
 皆さんが入学した岡山操山中学校は、岡山操山高校と共に中高一貫教育を行う県立中学校として、平成十四年四月に開校し、今年度創立二十周年の節目を迎えました。また、皆さんが三年後に進学する岡山操山高校は、明治三十三年開校の岡山県高等女学校(旧制一女)と大正十年開校の岡山県第二岡山中学校(旧制二中)を母体とした県内屈指の伝統校です。
 旧制一女からは「和して流れず」、旧制二中からは「松柏」の精神を受け継ぎ、知・徳・体の調和の取れた教育を実践しています。「和して流れず」とは、「人や社会との調和を大切にしながらも、周囲に流されずに自分の信念を持って生きる」ことを意味し、「松柏」の精神とは、「冬になっても緑の葉を失わない松や柏のように、優れた精神を持つ人は困難な状況の中にあってその真価が明らかになる」という、強く正しく生きることの大切さを表した言葉で、これらは今も学校の根本精神として本校の教育に息づいています。
本校の教育目標は、これら建学の精神を受け継ぎながら、高い志や確かな学力、豊かな人間性を身に付け、郷土岡山や日本、そして世界をよりよいものに変えていく「真のリーダー」を育てることにあります。そのために、生徒を主体とした活気溢れる授業を柱に、「イングリッシュキャンプ」や「未来航路プロジェクト」、「SOZAN国際塾」、「海外研修」など、皆さんがチャレンジするに値する多彩で特色ある学習機会を用意しています。これらに果敢にチャレンジし、チャレンジスピリットを身につけてほしいと思います。
本日、入学の日を迎えた新入生の皆さんは、そんな本校での生活に大きな期待を抱くとともに、不安も感じていることでしょう。しかし、本校の先生方は常に温かい眼差しときめ細かな配慮をもって皆さんに接してくださり、先輩たちも真面目で前向きな生徒達ばかりです。どうか安心して、中学校生活の第一歩を踏み出してください。
 ここで、これからの学校生活がここに集った百二十名全員にとって素晴らしい価値あるものになるよう、皆さんに三つのことをお願いします。
 一つめは、いろいろな人との出会いを大切にしてほしいということです。本校で出合うたくさんの友達や先輩方と仲良くし、お互いを大切にするとともに、切磋琢磨しながら高め合う努力を続けてください。また、どんなときも皆さんを温かく見守り励ましてくださっている保護者の方や先生方への感謝の気持ちを絶対に忘れないでください。
 二つめは、周囲に流されることなく、自分自身で考え、判断し、表現することを心掛けてください。これからは、どの授業を選ぶか、どの部活動に入るかなど、自分で選択する機会が増えます。また、「未来航路プロジェクト」では、探究する課題について、自ら考え研究を深めていきます。本校での学習を通して、自分で考えて行動し、自分の意見や考えをしっかりと相手に伝えることのできる人間になってください。
 三つめは、自分自身と向き合い、困難に打ち勝つ強い気持ちを心の中に持ってください。これからの中学校生活では、心躍る楽しいことばかりでなく、自分の弱さや苦手なものを自覚する場面があるかもしれません。でも、そんな時こそ、自分の限界を乗り越え、大きく成長できるチャンスです。粘り強く、自分の目標に向かって挑戦を続けてください。
新入生の皆さんが、これら三つのことを心に留めながら、皆さんが持っている素晴らしい力や可能性をさらに伸ばし、「大樹のごとく」たくましく育っていくことを期待しています。
 保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。
 お子様は今、意欲に溢れ、決意も新たに新しい生活を迎えておられると思います。同時に、新しい学校生活や友人関係などに様々な不安も感じておられると思います。保護者の皆様には、「自立した大人」への階段を上り始めたお子様の揺れ動く思いを受け止め、私たち教職員とも連携を密にしていただきながら、お子様の成長を信じ、見守っていただきたいと思います。私たち教職員も心を一つにして、お子様一人一人の成長と自己実現に向けて、精一杯御指導・御支援させていただく所存です。どうか、本校教育に対しまして、格別の御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げ、式辞といたします。

令和三年四月八日

岡山県立岡山操山中学校

校長 武内 洋二