校長ブログ(H31~R1)

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平成31年度・令和元年度

令和元年度 3学期終業式・修了式式辞 【R2.3.19(木)】

 中学・高校の生徒の皆さん、おはようございます。校長の近藤です。
 新型コロナウイルス感染拡大防止の一環として、3月2日から全国的に臨時休校の措置を取っている中、クロムブックを使った中学校修了式、高校終業式となりました。
 本県では、新型コロナウイルス感染症の感染者は確認されていないものの、全国的には感染拡大が継続しており、現時点では当面、これまで同様の対策が続けられる予定です。ただし、今後出される国の方針等を踏まえ、変更があるかもしれません。
 今後、変更がある場合は、本校のホームページや楽メでお知らせしますが、引き続き、不要不急の外出を避け、自宅で過ごすようにしてください。ただし、健康保持の観点から、ジョギングや散歩などの運動をして、気分転換、ストレス解消に努めてください。
 さて、皆さんは毎日どう過ごしていますか。今日は改めて先生方から、自宅での過ごし方や勉強のアドバイス、課題の指示などがあると思いますが、私からは皆さんに、普段は忙しくてなかなかできない「読書」を勧めたいと思います。他者の立場に立って、その人の気持ちや痛みを想像する力、自分だったらどうするか、どう考えるかを想像する力、社会のために貢献する自分について想像する力など、「読書」は人間の成長にとって大切な力である「想像力」を育む上で、とても大切な営みです。一生つきあえる友達のような素敵な本と、この時期にたくさん出合ってほしいと思います。
 今日は一つだけ、皆さんにお話をします。
 今回、国境を越えた感染症の急速な拡大を目の当たりにして、私たち人類は、「地球」という小さな宇宙船に乗っている乗組員だということを改めて認識しました。
 1つの市や1つの県、1つの国だけでは解決できない課題に、国境を越えて乗組員全員が力を合わせて解決に向けて取り組んでいくことの大切さを今、私たちは学んでいます。
 そして、感染症対策は、単なる病気を直す話にとどまらず、日常の生活はもちろん、教育や政治、経済、スポーツ、エンターテインメントなどあらゆるものに波及することに気づかせてくれました。つまり、全てはつながっています。
 私たちはもっともっと学ぶ必要があります。そして、国や宗教や民族に関係なく、たくさんの人々と信頼し合い、理解し合う必要があります。いろいろなことを考え、学ぶチャンスが今、たくさんあります。皆さんの全ての学びは、人々の幸せや地球の持続可能性につながっています。
 皆さんの中には、今の状態がいつまで続くのか不安を持っている人もいると思います。もしかしたら、とても苦しい状況にいる人もいるかもしれません。でも、皆さんは本当によく頑張っています。そんな皆さんを、私は本校の校長として「誇り」に思っています。
 明けない夜はありません。今は、新学期に向けた、そして未来を見据えて力を蓄えるときです。「和して流れず」、そして「松柏の精神」を胸に、このピンチをチャンスに変えてください。皆さんの更なる成長に期待し、私の話を終わります。

令和元年度 卒業式式辞【R2.3.13(金)】

式   辞

 桜のつぼみが膨らみ、春の息吹が感じられる今日の佳き日、保護者の皆様方の御臨席を賜り、岡山県立岡山操山中学校・令和元年度卒業証書授与式をこのように厳粛に挙行できますことは、誠に大きな喜びであり、教職員一同、心から感謝申し上げます。
 ただいま卒業証書を授与いたしました百二十名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。皆さんは、平成二十九年四月、本校に第十六期生として入学され、三年間にわたり、本校の特色ある様々な学習活動に真摯に取り組んでこられました。日々の学習だけでなく、学校行事や部活動、松柏祭でのクラス合唱や応援合戦など、何事にも全力で取り組む皆さんの姿に、私はいつも心を動かされてきました。
 また、本校は岡山や日本の未来を切り拓くグローバル・リーダーの育成に取り組んでいますが、皆さんは「未来航路プロジェクト」の一環として、京都研修や東京修学旅行の際に、大学や企業などを訪問し指導や助言を仰ぎながら研究を進め、発表会でのプレゼンや卒業論文作成を行うなど、レベルの高い学習に取り組んできました。さらに、「SOZAN国際塾」においては、様々なボランティア活動や校外での各種のコンテストへの挑戦などに取り組み、数々の成果を挙げてきました。
 「未来航路」など本校での学びで身に付けたものの見方や考え方、課題解決能力は、不透明さを増すこれからの時代を切り拓く「羅針盤」として、皆さんを導いてくれることでしょう。
 そんな皆さんに、校長として、一つ激励の言葉を贈ります。それは、古代ギリシアの哲学者プラトンが書いた『ソクラテスの弁明』という本の中に出てくる次の言葉です。
 「ただ生きるということではなく、善く生きることこそ最も大事にしなければならない。」
 ただ生きるのではなく、善く生きる。
 現在、グローバル化やAI(人工知能)など科学技術の一層の進展、貧富の格差拡大に伴う社会の分断、地球温暖化など気候変動や生態系の破壊、さらに、新たな感染症の広がりなど、不安定で、不確実な世界が広がり、数年先、いや数か月先さえ予測することが困難となっています。
 このような中、安全・安心で、皆が住みよい社会を実現するためには、一人一人が、社会をより良くしていくために積極的に関わろうという気持ちを持ちながら、困難な中にあっても将来に向けて学び続けることが大切です。私はこのことが、現代にあって、「善く生きる」ことだと考えています。
将来の日本や世界は、「未来からの留学生」ともいえる皆さん一人一人の成長にかかっています。「社会のために、弱き人のために何ができるか」ということを常に問い続けることにより、初めて自らの学びの成果が生かせます。高校に進んでも、他者と協働しながら具体的に課題を解決していていく力や、自ら考え、主体的に行動し、責任をもってより良い社会を実現するための知識や技能を身に付けるよう努力を続けてください。
世界で暮らす人々の多様性を理解、尊重し、より平和で豊かな社会を創造することに貢献できるのは、「幅広く深い教養」とたくさんの経験に裏付けられた「善く生きる」ことのできる人間だけです。岡山操山は、そういう人間を育てる場所です。
共に高め合う仲間を信じ、全ての人に手を差し伸べられる「温かい心」を持って、未来という大海原に、力強く漕ぎ出してください。卒業生の皆さんのこれからの人生に幸多かれとお祈りいたします。 
 保護者の皆様、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。栄えある卒業の日を迎えられたお子様の姿に、皆様の喜びもひとしおのことと拝察いたします。また、今日に至るまで本校教育に対して変わらない御支援と御理解をいただきましたことに、教職員を代表し、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
卒業生の皆さんとの名残は尽きませんが、本校を巣立っていく百二十名一人一人の輝ける未来への航路を期待し、式辞といたします。

令和二年三月十三日

岡山県立岡山操山中学校

校長 近藤 治

令和元年度 3学期始業式【R2.1.8(水)】

 皆さん、明けましておめでとうございます。
 2020年、令和2年のスタートに当たり、生徒の皆さんの元気な顔を見ることができて、とても嬉しいです。  高校3年生の皆さんは、約10日後にセンター試験を迎えます。前日17日(金曜日)に、ビデオで、改めてエールを送らせていただきたいと思います。
 中学生の皆さんや高校1・2年生の皆さんにとっても、3学期は1年間の活動の総仕上げの時期であり、次の学年への助走の時期です。緊張感を持って毎日を過ごしてほしいと思います。
 さて、今日は1つだけお話をします。今年、オリンピックが56年ぶりに東京で開催されますが、その目指すものについてです。東京大会の「大会ビジョン」は、「スポーツには、世界と未来を変える力がある」というもので、「全ての人が自己ベストを目指し」「一人一人が互いを認め合い」「そして、未来につなげよう」が基本コンセプトです。その上で、「史上最もイノベーティブ(革新的)で、世界にポジティブ(前向き)な改革をもたらす大会とする。」ことを東京オリンピック・パラリンピックは目指しています。
 「多様性と調和」、「未来への継承」がキーワードになっていますが、このビジョンのベースにあるのが、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」という考え方です。SDGsには、「貧困をなくそう」や「質の高い教育をみんなに」、「気候変動に具体的な対策を」など17の目標がありますが、IOC(国際オリンピック委員会)は、東京大会での「全ての側面に持続可能性を導入する」とし、環境や人権などに配慮する方針を示しています。
 例えば、昨年11月末に完成した「杜のスタジアム」と呼ばれる新国立競技場は、国産の木材がふんだんに使われ、「環境に配慮したオリンピック」の象徴となっています。
 しかし一方で、国立競技場をはじめ9つに競技場で、コンクリートを流し込む基礎工事で必要な型枠合板に使い捨ての木材が大量に使われ、その3分の2以上がインドネシアとマレーシアの熱帯材だという事実もあります。これらの国々では貴重な生態系を維持するために大切な熱帯林が切られているのです。
 物事は、必ずプラスの面とマイナスの面が背中合わせになっています。経済(エコノミー)が成長するためには、天然資源を切り崩すことが必要です。その結果、地球の生態系(エコロジー)が破壊され、そこに住む人々の生活や動植物の生存・生物多様性が脅かされます。経済のグローバル化が進んだ現在では、他国の犠牲の上に一時的な繁栄を得ることができても、必ず、地球規模の気候変動や地域紛争、難民の発生などの形で大きな影響を受けるでしょう。
 エコノミーとエコロジーを例に取りましたが、是非操山生の皆さんには、各教科・科目で学んだ教科横断的な知見を総合的に活用しながら、広い視野と複眼的な視点、さらに明確なエビデンス(科学的根拠)を持って、様々な社会事象を冷静に分析する知性(インテリジェンス)と、ユーモアや優しさ、他者に寄り添う心など豊かな人間性(ヒューマニティ)を、この1年間の本校での活動を通してしっかりと身に付けてほしいと思います。この4月から高校1年生に導入する一人1台パソコンは、教室を世界の最前線とつなぐことで、授業が変わるだけでなく、皆さんの学び方がより主体的なものになるでしょう。
 「自分だけが良ければいい」「今だけ良ければいい」「金だけあればいい」という近代の論理を乗り越え、新しい時代のパラダイム(思考の枠組み)を構築する先頭に立ってください。評論家が百人いても世界は変わりません。世界を変革する実践者が1人いれば、より良い社会の実現に向けたムーブメントを起こすことができます。今回のオリンピックが史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会となるかどうかは、皆さんをはじめ、これからの時代を担う世界中の若者にかかっています。
 選手たちの活躍に心から拍手を送る、おもてなしの心で海外の方と交流することに加え、今、日本で、世界で何が起きているのか、どの情報が本当に正しいのか、そしてより良い社会の実現のために、自分は何を学ぶべきか、どう生きていくかを深く考え、実践する1年にしてもらいたいと思います。
 高い志を持った社会のそして世界のリーダーとして、学校や国の枠を超えて、切磋琢磨して頑張りましょう。 
 以上で式辞を終わります。

令和元年度 2学期終業式 【R1.12.24(火)】

 皆さん、こんにちは。今日で、令和最初の2学期が終わります。残念ながら、中学校3年生の皆さんはインフルエンザの関係でこの場にいませんが、新年1月8日(水)の3学期始業式では、全員の元気な顔を見たいと思います。 記念すべき令和元年も、あと1週間で終わりますが、今年も、中学生・高校生共に学校内外の様々な場面で、大いに活躍してくれました。特に今年は本校創立120周年ということで、記念松柏祭や記念式典をはじめ、多くの関連行事に積極的に参加し、本校の素晴らしさを広く県内外に発信してくれました。今は実感がわかないかもしれませんが、自分が現役のときに母校の120周年を迎えたことは、皆さんの一生の思い出になると思います。
 さて、今日の式辞では、2つお話をします。1つめは、「大学入試」について、2つめは「大学とはどんなところか」についてです。
 1つめの「大学入試」については、来年度の大学入学共通テストの記述式問題導入や、英語の4技能を測る民間の英語資格・検定試験の成績提供システム導入が延期となり、不安な思いの生徒もいると思います。
ただ、今回の大学入試改革は、皆さんが未来を切り拓くために必要な資質・能力の育成を目指し高校教育改革と大学教育改革の一環として取り組んでいるものであり、中・高の教育を通して論理的な思考力や表現力を育て、それらの力を大学入試で評価するという方向性はこれからも変わりません。
 来年度の記述式問題導入は見送りとなりましたが、各大学の個別選抜では記述式問題の活用に積極的に取り組むよう、文部科学省が各大学に要請しています。
 英語についても、リーディングやリスニングだけでなく、スピーキングやライティングを含む4技能をバランスよく育む大切さは変わりません。
 日々の学習の積み重ねが、大学入試につながっています。毎日の授業こそが受験勉強です。学力とは、先生から与えられるものではなく、時間をかけて自らつかみ取るものです。大学は、そうやって自ら獲得した「分厚い学力」を持った生徒を求めています。
 では、2つめの、「大学」とはどんなところでしょうか。
 結論から言うと、それは、人間や社会、自然に関する真理を探究する場であるとともに、社会や世界を良い方向に動かしていける原動力となる人間を育てる場です。OECD(経済協力開発機構)は、自ら考え、主体的に行動して、責任をもって社会変革を実現していく力を「エージェンシー」という言葉で表現しています。岡山操山120年の歴史で変わらないこと。それは、より良い社会の実現に向け、努力を惜しまない人間、つまりOECDの言う「エージェンシー」を自ら磨き続ける人間を世に送り出すことです。
 目先の金儲けだけを目的にしている企業は持続しません。みんなが心身共に健康で、幸せに生活していけるよう、そして地球環境に配慮し、持続可能な社会の実現という理念を掲げ、常に技術革新を行い、時代の変化に対応した商品開発を続けている企業が生き残り、発展していきます。
 SGH校である岡山操山での「未来航路」を含む全ての学びや活動は、皆さんが進学した大学での、豊かで持続可能な「未来」を作るための学問の基礎となります。
 また、社会を変革するためには、まず、自己(自分自身)を変革しなければいけません。
 自己変革とは、他者との違いを受け止め、「自分の良さ」を理解した上で、より素敵な新しい自分になるために自分自身を自ら突き動かすことです。
 皆さんの中には、理想と現実とのギャップ、友人や家族との関係、経済的な心配、心身の不調など、いろいろな要因で苦しんでいる人がいるかもしれません。いえ、たぶんここにいる皆さんは何らかの苦しみや悩みを抱えながら生きていると思います。
 でも私は、4年間、皆さんの良さや素晴らしさ、内に秘めた無限の可能性を見てきました。皆さんは一人一人、素晴らしい良さを持っています。
 是非、苦しみや悩み、失敗への恐怖から逃げないで、全てを受け入れた上で、「自分の良さ」を認め、前に向かって踏み出してください。私は、今まで、悔しさや劣等感、ダメな自分など全てを受け入れ、それらを燃やして前に行くエネルギーにしてきました。
 教育を通して、より良い社会を作る多くの若者を育てることが、私の「エージェンシー」です。これからもその思いは変わりません。
 操山生の皆さん。是非、今までたくさんの苦しさを乗り越えてきた自分の力を信じ、最後まであきらめないでベストを尽くしてください。皆さんは、必ず多くの人たちを、そして社会を、世界を照らす光となります。
 この冬休みを利用して、もう一度、自分自身を見つめ、「大学で何を学ぶか」「これからどう生きていくか」、自分と向き合ってみてください。
 では、皆さん、どうぞよいお年をお迎えください。3学期の始業式で元気にお会いしましょう。   以上で式辞を終わります。

令和元年度 2学期始業式 【R1.9.2(月)】

 皆さん、おはようございます。
 2学期の始業式に、こうして皆さんの顔を見ることができて、とても嬉しいです。夏休みは有意義に過ごせましたか。補習や特別授業、部活動などがあり、自由に使える時間はあまり多くなかったかもしれませんが、気持ちを切り替えて頑張りましょう。
 約10日後に松柏祭があります。私にとって皆さんと過ごせる時間が残り少なくなってきましたが、一緒に松柏祭を楽しみながら、素敵な思い出をたくさん作りたいなと思っています。忙しい中、そして疲れている中、準備をしてくれている生徒の皆さん、本当にありがとうございます。
 10月9日(水)には、岡山操山高校創立120周年記念式典と記念講演会が岡山シンフォニーホールで行われます。記念講演会は、本校の卒業生で東京大学副学長・同大学院工学系研究科教授の光石衛先生に、「先進手術ロボットが拓く未来社会」と題して御講演をいただきます。将来、皆さんが大人になったとき、心に残る記念行事にしたいと思いますので、御協力をよろしくお願いします。
 さて、今日は1つだけ皆さんにお伝えしたいことがあります。それは「すべてはつながっている」ということです。
 この夏、120周年記念式典の式辞を作るために、校長室にある資料を読んでいたら、次のような言葉に出合いました。
 「未来の大成を期し、不朽の偉業を目指して、着々と其(その)歩(ほ)武(ぶ)(あしどり、あゆみ)を進めなければならぬ。此(こ)の事は試験に出ないから覚えなくてもよい。此の学科は入学試験に無いからやらなくてもよいなどつまらぬ考えを持ってはならぬ。そんな眼前の小利害にのみ汲々としていては、学問も修養もとうていできるものではない。そんな心に余裕の無いことでは、たとえ試験の点数を取りえても、真に学園を楽しむものではない。」
 これは、大正時代の終わりに、本校の前身である「岡山県岡山高等女学校」第八代・妹尾盛(もり)親(ちか)校長が「花たちばな」という校誌に寄稿した文章の一節です。当時、一女は上級学校への進学熱が高まり、東京女子高等師範学校(現在のお茶の水女子大学)への入学者全国一と騒がれるほどでした。
 妹尾校長は、この考え方を基に、当時の高等女学校としては異例でしたが、生徒全員に卒業論文を課し、生徒たちが書いた論文の題目が今も残っています。
 一流の講師陣を招いて校内で「文化講演会」を開催したり、卒業生である人見絹枝さんの国内外での活躍を応援しながら運動部活動を奨励した妹尾校長は、目先の損得にとらわれず、視野を世界に向けて大きく広げ、問題意識を持って自ら学ぶことの大切さや、人間としての成長を目指し、何事にも真摯に取り組み、学校生活の全てを楽しむことの大切さを訴えたかったのではないかと、私は思っています。
 皆さんの中には気づいている人がいるかもしれませんが、皆さんが日々学んでいるいろいろな教科や科目は、深いところでつながっています。また、教科学習と未来航路や学校行事、部活動も見えないところでつながっています。
 私は、学校とは、未来に向けた準備の場だと思っています。
 インターネット経由ですべての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有される未来、Society5.0といわれる社会は「正解がない時代」だと言われています。最初から正解(正しい答え)があり、解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解き、間違えずに答えを出すことが評価される時代から、混沌とした状況の中で自ら問題を発見し、試行錯誤しながら答えを生み出し、新たな価値を創り出す力が評価される時代になっていくでしょう。
 皆さんのよさや可能性を未来で開花するためには、自分で目標を設定し、正解がないことにどんどんチャレンジすることが大切です。失敗から学ぶ経験、成功して仲間と喜び合う経験は、次への生きる意欲につながり、皆さんの未来につながっていきます。目に見えない「つながり」の大切さに気付き、自分の成長に生かしてください。
 最後に。あなたには、あなたにしかできない使命があります。そして、いつも世の中を変えることができるのは、自分の利益を顧みずに貫ける正義を持つ人です。未来に向けて教科・科目をしっかり学ぶとともに、弱き人に寄り添う優しいまなざしを持ち、生きる勇気や希望を与えられる言葉を身に付けてください。それらが一つにつながり、皆さんは「素敵な大人」になっていきます。
 では、2学期も操山での生活を楽しみながら頑張りましょう。終わります。

令和元年度 1学期終業式  【R1.7.19(金)】

皆さん、こんにちは。
 早いもので、今日で1学期が終わります。4月から、日々の授業や未来航路、部活動など皆さんが頑張っている姿をたくさん見て、心を打たれることが数多くありました。高校3年生の皆さんは、保護者の方を交えた担任の先生との懇談も終わり、いよいよ「勝負の夏」を迎えます。
 今日は、私自身のささやかな体験を踏まえて、次の2つのことをお話します。
 1つめは「自分自身の将来を考えるヒント」について、2つめは「新しい自分になるためのポイント」についてです。
 まず1つめの「自分自身の将来を考えるヒント」について。 私は本校に赴任して以来、先生方から依頼されて毎年、AO入試等の前に、生徒との模擬面接をしています。校長室で生徒と面接の練習をしている時、「校長先生はどうして先生になったんですか」と聞かれることがあります。
 私は、「自分自身が高校生のころに抱いていた『こんな先生が学校にいてくれたらいいなあ』という思いを叶えるため、先生になった」と答えています。
 高3の夏休みに本当につらい出来事がありました。そのことをきっかけに自分の殻に閉じこもり、学校で誰とも口をきかなくなった時期がありました。そのとき、「自分の心の中を静かに聞いてくれる先生がそばにいてくれたら、どんなにいいだろう」と思いました。
 たった10年間という短い教員生活でしたが、もし自分が目の前にいる生徒だったら、私にどんな授業をしてもらいたいだろうか、私からどんな言葉を掛けてほしいだろうかということをいつも考えていました。
 仕事には、必ず「相手」がいます。学校の先生には生徒や保護者が、医者には患者やその家族が、警察官には守るべき市民が、お店には品物を買いにくるお客さんがいます。
 皆さんも、仕事を通してあなたが幸せにしたい「相手」は誰なのかを考えて、自分の仕事について考えてみてはどうでしょう。自分が本当にしたいこと、将来どんな自分になりたいかが見えてくるかもしれません。
 蛇足ですが、本校の中・高の先生方は、皆さんの立場にたって、常に全力で指導されています。つらいこと、しんどいことがあったら、自分の中にため込まないで、いつでも私を含む先生方に相談してください。補習科の生徒たちには伝えていますが、苦しいときには、校長室の明かりを見てください。出張の日以外は、皆さんが学校にいる間は、校長室にいるようにしています。
 2つめは、「新しい自分になるためのポイント」についてです。皆さんの中には、「今の自分がいやだ、生まれ変わりたい」と思っている人がいるかもしれません。
 私は、高校の先生になろうと大学に行きましたが、学問への強い思いもなく、周囲に流されながら何となく生きているという毎日でした。私が本気で学問に取り組み始めたのは大学2年の夏休みからでした。大学図書館で、ある新聞の第1面から最後のテレビ欄まで、10時間以上かけて読み通したことがきっかけでした。当時はインターネットという言葉さえない時代で、新聞がテレビ・ラジオと並んで主な情報源でしたが、現実の国内外の政治・経済の動きなど自分が何も知らないことを思い知らされるとともに、もっと世界の本質を知りたいと思うようになりました。
 それ以来、授業の後、自主的に書いたレポートを教授に提出したり、オーストラリアの大学で短期間学んだり、友人と勉強会を開いたりしました。大学院では、修士論文の執筆など本当にしんどい2年間を過ごしましたが、たくさんの素敵な人たちや本との出会いを通して、前向きな人間に変わっていったように思います。
 人間の脳は、目標を設定し、それに到達するまでの「努力の過程」で満足感を得るようにできています。将来なりたい自分になるために、ひたすら努力を続けること、また、視野が広がる経験をしたり、主体的に学ぶことを通して、新しい自分と出会うことができます。私は皆さんに、この「岡山操山」で、素晴らしい仲間たちと、そんな経験をしてもらいたいと思っています。
 最後に。本校の中庭にある人見絹枝像は、今から30年前、創立90周年事業として建立されました。台座に書かれている言葉を読んだ人はいますか。それは彼女が書いた「スパイクの跡」という本に綴られている言葉です。
 「努める者は何時か恵まれる。私は賢明でない事をよく知っています。然し愚かなりとも、努力を続ける者が最後の勝利者となることを信ずる者です。」
 自分の時間は、自分の命そのものです。今この瞬間、自分にできる努力を惜しまないでください。そして、皆さんの努力は、未来の誰かの「希望」になると私は信じています。たくさんの人たちが、未来のあなた方を待っています。共に頑張りましょう。
 では、9月2日の2学期始業式で元気にお会いしましょう。

令和元年度 PTA総会 校長挨拶  【R1.5.20(木)】

皆さん、こんにちは。
 岡山操山中学校・高等学校長の近藤と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 本日はお忙しい中、そして悪天候の中、令和元年度PTA総会に御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
 新学期が始まり、早いもので1か月半が経ちました。
 生徒の様子が気になるので、時間があるときには、中・高の授業を参観しています。一昨日(5月18日(土))の中・高授業公開日には、来校されたたくさんの小・中学生、保護者の皆さんに混じって授業を見て回りましたが、生徒たちは真剣に、そして楽しそうに授業を受けておりました。
 お子さまの御家庭での様子はいかがでしょうか。何か気になることがありましたら、学校に御連絡ください。
 さて、本日の総会では、昨年度の事業・決算報告や、役員改選、今年度の事業計画、予算案等について御協議いただきます。
 総会終了後は、中学校は教育講演会、高校は学年ごとの保護者説明会があります。長い時間となりますが、よろしくお願いいたします。
 この総会では、せっかくの機会ですので、学校からスーパーグローバルハイスクールの取組状況や大学合格者数の御報告等も含め、中・高の取組の概略を御報告させていただきます。御質問や御意見等がございましたら、御遠慮なくお願いいたします。
 最初に、私から2点御報告をさせていただきます。
 1点目ですが、本校の教育の大きな方向性についてです。
 総会要項2ページの「岡山操山中学校・高等学校グランドデザイン」を御覧ください。
 本校では、(1)知識・技能、(2)思考力・判断力・表現力等、(3)学びに向かう力・人間性等のいわゆる「学力の3要素」に対応する「幅広く深い教養」「課題解決能力」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」「社会貢献の意識」の5つの資質・能力を、授業を含む全ての教育活動を通して育むことで、「未来」を自らでたくましく切り拓いていける「真のグローバル・リーダーとしての力」を身に付けさせることを目指しています。
 これからの先が見えない多様性に満ちた時代、グローバル社会をたくましく生き抜いていくためには、教えられたことや覚えたことを正確に吐き出すだけの能力では限界があります。自ら選んだテーマをチームで深掘りして課題解決につなげる「未来航路」や、大人がいなくても自ら学び続け、知識を取りに行く力を日頃の授業を通してしっかりと身に付け、真の「生きる力」言い換えれば「何があっても大丈夫な力」を育むとともに、新しい時代の創造や歴史の進歩に貢献する真のリーダーを育てる。それが本校の目指す教育です。
 具体的な取組としては、一番下の「取組を支える」にあります、「教職員の更なる資質向上」、「積極的な情報発信」、「業務の効率化」、「生徒に対する総合的な支援」を土台に、新学習指導要領や高大接続改革への対応を追い風に、「スーパーグローバルハイスクール事業」と「進路指導」という2大柱を融合させながら、教職員がベクトルを合わせて取り組んでいます。
 去る5月1日に、本校と相互交流をしております南オーストラリア州のセイクリッドハートカレッジ中学校・高校を訪問し、バイロン校長との間で連携協定を結んできました。その学校は、中・高ともWi-Fiが整備されており、生徒は一人1台のノートパソコンを持っており、世界の最先端の動きと学校教育がつながっていました。
 本校も、スーパーグローバルハイスクール事業をさらに発展させ、4技能を育成する英語教育や新しい学習指導要領が求める課題探究学習をさらに進めるためにも、世界標準のICT環境が必要であり、保護者の皆様の御理解を頂きながら整備を進めていきたいと考えております。 
 2点目ですが、今年度は、創立120周年があり、10月9日(水)には記念式典や記念講演、11月16日(土)にはホームカミングデーの開催を予定しています。
 他にも様々な記念事業を企画しておりますが、「操山ファミリー」として、生徒だけでなく保護者の皆様にも是非様々な関連行事に御参加していただき、本校の歴史や伝統について御理解いただくとともに、本校が更に発展するよう御協力をお願いいたします。
 最後に、私も中高120人の教職員と面談をしているところですが、是非保護者の皆様からもいろいろとお話をお聞かせいただきたいので、要項の最後のページにありますPTA親睦会に御参加いただければありがたいです。
 では、本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

平成31年度1学期始業式  H31.4.8(月)

皆さん、こんにちは。
 新しい一年、平成31年度が始まりました。先ほどの岡山操山中学校の入学式では120名の新しい仲間を迎え、岡山操山高等学校の入学式では280名の新しい仲間が加わりました。新しくできた先輩や後輩、同じクラスとなった仲間やお世話になるたくさんの先生方との出会いを大切にして、気持ちも新たに今日から思う存分に力を発揮することを期待しています。
 皆さんも知っているとおり、来月からは「平成」に代わり「令和」という新しい元号となります。出典は、「万葉集」にある、梅花を詠んだ三十二首の序文「初春の令月 気淑く風和ぐ」で、「令和」には、長い冬が終わり、春の訪れを告げる柔らかな風や梅花の香りの下、皆が心を開き、和やかに楽しむ時代の到来を祝うという意味が込められています。
 「松柏」の精神を受け継ぐ皆さんも、松や柏と同じように長く厳しい冬を耐えて、麗らかな春を迎えました。この1年間、生徒そして教職員が美しく心を寄せ合いながら、新しい文化がこの学校から生まれ育っていくことを期待しています。
 さて、新しい年度の始まりに当たり、1つだけお話をします。
 それは、「高い目標を持つ」ことの大切さです。
 3学期の終業式・修了式で、中・高の2・3年生の皆さんに、私から春休みの課題を出しました。
「皆さんが将来、情熱を持って本当にやりたいことは何なのか、それを実現するためには今の自分に何が必要なのか、どう行動すればよいかについて、この春休みの間にしっかりと考えてみてください。」という内容でした。
 3月16日から10日間にわたるSGH短期海外オーストラリア研修を終えて帰国した12名の高校生の皆さんが、3月末に報告会をしてくれました。日本とオーストラリアの文化の違いや、学校やホームステイ先、アデレードの街の様子など、どの生徒の話も興味深く、メモを取りながら体験談を聴いていたのですが、とても印象に残ったのは、「高い目標を持つことの大切さを学んだ」というある生徒の言葉でした。交流校のセイクリッドハートカレッジの生徒の家にホームステイをしているとき、そのバディが世界有数のある大学で勉強したいという自分の高い目標、夢を語ってくれたそうです。私にその話をしてくれた生徒は、自分も将来同じ大学に行き、そのバディと一緒に勉強したいという夢を語ってくれました。
 私は「春休みの課題を提出してくれた」と、とても嬉しく思いました。
 先ほど入学式を終えたばかりの中・高の新入生も含め、ここにいる皆さん、「情熱を持って自分が本当にやりたいこと」や目指したい「高い目標」を是非本校で見つけてください。人に笑われようと、何を言われようとかまいません。それこそが、学校生活をさらに充実したものにしてくれます。
 夢や目標に向かって毎日頑張っている人は本当に素敵です。夢や目標があるから、人間は苦しさや困難を乗り越えていけるのだと思います。人は心で生きています。思いの大きさが、受験の最終盤など本当にしんどい時、自分を支えてくれます。
 最後に。そのとき、別の生徒が私に語ってくれた言葉を紹介し、今日の式辞を終わります。
 それは、「今回のオーストラリア研修で、普段の授業で学んだことがたくさん使えた。これからも学校の授業を大切にしていきたい」という言葉です。
 日々の授業は、「高い目標」を実現するための宝物です。その宝物を捨ててしまうか、自分のものにする努力を続けるかで結果が決まります。
 そして、一緒に学ぶ仲間は、成績の優劣を競う相手ではなく、切磋琢磨しながらそれぞれの夢に向かうパートナーだと考えてください。誰かに教えることによって力が付くことは、教育の世界ではよく知られた事実です。
 知ったかぶりをせず、分からないことは分からないと先生やパートナーに聞いてください。分からないを質問することは決して恥ずかしいことではなく、とても価値のあることです。知識や考え方をみんなでシェアしながら、さらに高みを目指す集団になってください。皆さん一人一人が授業の主役であり、「岡山操山そのもの」だと私は思っています。 
 令和元年という記念すべき年に、自分で決めた「高い目標」に向かって、勇気を出して一歩踏み出してください。我々教職員は全力で皆さんの夢を応援します。そして皆さんなら必ずできます。 
 これで式辞を終わります。

平成31年度中学校入学式式辞  H31.4.8(月)

 麗らかな春の日差しが、希望に満ちた新たな門出を祝福しているような今日の佳き日、PTA会長 池田博昭様をはじめ御来賓の皆様並びに多数の保護者の皆様方の御臨席を賜り、岡山県立岡山操山中学校平成三十一年度入学式を挙行できますことは、本校教職員にとりまして誠に大きな喜びであり、厚く御礼申し上げます。
 ただいま、入学を許可され、晴れて岡山操山中学校の生徒となった第十八期生百二十名の新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。
 皆さんが入学した岡山操山中学校は、岡山操山高校と共に中高一貫教育を行う県立中学校として、平成十四年四月に開校しました。皆さんが三年後に進学する岡山操山高校は、明治三十三年開校の岡山県高等女学校(旧制一女)と大正十年開校の岡山県第二岡山中学校(旧制二中)を母体とし、今年度、創立百二十周年を迎える県内屈指の伝統校です。
 また岡山操山中学校は、生徒を主体とした活気溢れる授業を柱に、「イングリッシュサマーキャンプ」など多彩で特色ある教育活動に日々取り組むとともに、「未来航路プロジェクト」や「SOZAN国際塾」など、これまでの先進的な取組をさらに発展・進化させながら「高い志」を持った生徒を育成している新進気鋭の学校でもあります。
 さらに本校は、旧制一女からは「和して流れず」、旧制二中からは「松柏」の精神を受け継ぎ、知・徳・体の調和の取れた教育を実践しています。「和して流れず」とは、「人や社会との調和を大切にしながらも、周囲に流されずに自分の信念を持って生きる」ことを意味し、「松柏」の精神とは、「冬になっても緑の葉を失わない松や柏のように、優れた精神を持つ人は困難な状況の中にあってその真価が明らかになる」という、強く正しく生きることの大切さを表した言葉で、これらは今も校是として本校の教育に息づいています。
 岡山操山中学校・高校は、大学に進学させることを目的としている学校ではありません。岡山操山の目的は、百二十年に及ぶ建学の精神を受け継ぎながら、高い志や確かな学力、豊かな人間性を身に付け、郷土岡山や日本、そして世界をよりよいものに変えていく「真のリーダー」を育てることにあります。だからこそ、生徒の皆さん一人一人がこれから何を目標に情熱を持って学んでいくのか、皆さんがその目標を達成するためにはどのような進路が一番よいかなどについて、中・高の6年間を通して考えていく必要があります。
 すぐに結論を出す必要はありませんが、本校でのいろいろな活動を通して、自分の夢や目標についてしっかりと考えるようにしてください。
 本日、入学の日を迎えた新入生の皆さんは、そんな本校での生活に大きな期待を抱くとともに、不安も感じていることでしょう。しかし、本校の先生方は常に温かい眼差しときめ細やかな配慮をもって皆さんに接してくださり、先輩たちも真面目で前向きな生徒達ばかりです。どうか安心して、中学校生活の第一歩を踏み出してください。
 本校の伝統を受け継ぎながら、平成に代わる新しい「令和」という時代の若きリーダーである皆さんに、校長として次の三つのことを期待しています。
 一つめは、本校で出会うたくさんの友達と仲良くし、お互いを大切にするとともに、切磋琢磨しながら高め合う努力を続けてください。また、どんなときも皆さんを温かく見守り励ましてくださっている保護者の方や先生方への感謝の気持ちを絶対に忘れないでください。
 二つめは、周囲に流されることなく、自分自身で考え、判断し、表現することを心掛けてください。これからは、どの授業を選ぶか、どの部活動に入るかなど、自分で選択する機会が増えます。また、「未来航路プロジェクト」では、探究する課題について、自ら考え研究を深めることが多くなります。本校での学習を通して、自分で考えて行動し、自分の意見や考えをしっかりと相手に伝えることのできる人間になってください。
 三つめは、自分自身と向き合い、困難に打ち勝つ強い気持ちを心の中に持ってください。これからの中学校生活では、心躍る楽しいことばかりでなく、自分の弱さを自覚する場面があるかもしれません。でも、そんな時こそ、自分の限界を乗り越え、大きく成長できるチャンスです。粘り強く、自分の目標に向かって挑戦を続けてください。中高一貫校である本校は、それができる学校です。
 新入生の皆さんが、これら三つのことを心に留めながら、皆さんが持っている素晴らしい力や可能性をさらに伸ばし、「大樹のごとく」たくましく育っていくことを期待しています。
 保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。
 お子様は今、意欲に溢れ、決意も新たに新しい生活を迎えておられると思います。同時に、新しい学校生活や友人関係などに様々な不安も感じておられると思います。保護者の皆様には、「自立した大人」への階段を上り始めたお子様の揺れ動く思いを受け止め、私たち教職員とも連携を密にしていただきながら、お子様の成長を信じ、見守っていただきたいと思います。私たち教職員も心を一つにして、お子様一人一人の成長と自己実現に向けて、精一杯御指導・御支援させていただく所存です。どうか、本校教育に対しまして、格別の御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
 最後になりましたが、御多忙の中、御臨席いただきましたPTA役員の皆様及び保護者の皆様に改めて感謝申し上げまして、式辞といたします。